マインド・ゲームス、邦題ヌートピア宣言は英13位、米で9位を記録したがいささか地味な印象で語られることが多い。
個人としては初めて聴いたジョン レノンのアルバムが本作であり、深い思い入れがある。
マインド・ゲームス、邦題ヌートピア宣言は英13位、米で9位を記録したがいささか地味な印象で語られることが多い。
個人としては初めて聴いたジョン レノンのアルバムが本作であり、深い思い入れがある。
Dancing With Strangers / Chris Rea 1987
今回はクリス レア1987年のアルバム「ダンシング ウィズ ストレンジャーズ」のアルバムガイド。
2019年に出たリマスター盤についてもふれる。
本盤は世界的ヒットとなったオン ザ ビーチに続いて発表されたアルバムであり、全英2位を記録し、長くチャートにとどまるロングヒットとなった。
シングルとしても、
Let’s Dance 英12位、ニュージーランド2位、米81位(モータウンの社長ベリー ゴーディが気に入ったことからモータウン配給で米国でも発売された。)
リマスター盤は2枚組。
ディスク1
1.Joys of Christmas
2.I Can't Dance to That
3.Windy Town
4.Gonna Buy a Hat
5.Curse of the Traveller
6.Let's Dance
7.Que Sera
8.Josie's Tune
9.Loving You Again
10.That Girl of Mine
11.September Blue
ディスク2
1.Yes I Do (B Side)
2.Que Sera (Single Version, Re-Recorded '88)
3.Se Sequi (B Side)
4.I'm Taking the Day Out (B Side)
5.I Can Hear Your Heartbeat (Extended Mix)
6.Loving You Again (Live)
7.Danielle's Breakfast (12" B Side)
8.On the Beach (Summer '88)
9.Rudolph's Rotor Arm (Previously unreleased)
10.Smile (The Christmas EP)
11.Don't Care Anymore (B Side)
12.Que Sera (Down Under Mix)
13.Donahue's Broken Wheel (B Side)
14.Let's Dance (Remix)
15.Josephine (French Re-recorded, B Side)
16.Footsteps in the Snow (The Christmas EP)
17.Driving Home for Christmas (Second version, from 'New Light Through Old Windows')
クリス本人が「基本的に自分のレコードは聴かないが、このアルバムは別だ。ぼくらが燃えているのがわかるからだ。」とあるように本人も気に入っている作品だ。
本作では前作オン ザ ビーチの洗練された作風から大きくはなれたケルト音楽に代表されるアイリッシュトラッド的サウンド、またはブルーズ的なリードギターが目立つ。
それらに80年代のキーボードサウンドを混ぜて現代的にしたことがヒットの要因だろう。
トラッドは彼らにとって身近なものなのだろうが、本作でアイルランドの伝統音楽の要素を全面に取り入れたのはなぜなのか。
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Huey Lewis & The News /Huey Lewis & The News 1996
実はこれがヒューイ・ルイス&ザ・ ニュースのベスト盤の中で最高音質。
数ある彼らのベスト盤の中でもっとも見過ごされているが、これがかれらのベスト盤のなかで一番いい音。
そしてたんなるベスト盤ではない。
曲目、音質ともに現状このベスト盤が最良なのだ。
1. The Heart of Rock & Roll - 5:04
2. Heart and Soul - 4:12
3. Doing It All for My Baby - 3:37
4. Do You Believe in Love - 3:28
5. Trouble in Paradise - 4:32
6. The Power of Love [From Back to the Future] - 3:54
7. If This Is It - 3:52
8. Bad Is Bad - 3:47
9. Workin' for a Livin' - 2:39
10. It's Alright - 3:04
11. Stuck with You - 4:26
12. I Want a New Drug - 4:45
13. 100 Years from Now - 3:46
14. So Little Kindness - 4:14
15. 'Til the Day After - 3:27
16. When the Time Has Come - 4:26
Sports / Huey Lewis&The News 1983
ヒューイ ルイス&ザ ニュースといえば、バック トゥ ザ フューチャーの主題歌2曲と83年の大ヒットアルバムである本盤がよく知られている。
ただ、このアルバムからシングルヒットを連発したため収録曲のほぼ全部がベスト盤に入っている。
だからベスト盤から聴いてしまうと、購入があとまわしになってしまうアルバム、それが「SPORTS」なのだ。
そこでヒューイ ルイス&ザ ニュースに興味があるひとはまず「SPORTS」から聴くことをオススメする。
大ヒットアルバムであるし、この曲順ならではの流れもある。
これを聴いてからベスト盤やほかのアルバムに行くのがもっとも選択肢を増やす順序のようにおもう。
実際 ベスト盤だけしか聴かないのはもったいないバンドなのだから。
80年代ロックを代表する名盤SPORTS
では、「SPORTS」について書いていこう。
取り上げるのは2013年リマスター2枚組。
発売30周年リマスターのことである。
CD1がオリジナルアルバムのリマスター、
CD2がオリジナルアルバム収録曲のライヴテイクを集めたLIVE SPORTSという題目になっている。
以下はCD1 オリジナルアルバムの曲目。
Sports Track Listing:
このアルバムは全9曲中、5曲がシングルヒットした特大ヒットアルバム。
アルバムとしても全米1位に登りつめ、その年の年間売上アルバム2位を記録した彼らの出世作として世界的に知られる作品だ。
マイケル・ジャクソンのスリラーがなければ年間アルバム1位だったのは言うまでもない。
前述の通りアルバムからは5曲がシングルカットされ①②④⑦がトップ10入り、残り1曲⑤もトップ20入りしたのだった。
アメリカの古めかしい音楽スタイルにモダンなエッセンスと当時の先端テクノロジーをハイブリッドした点が画期的。
ロックンロール、ソウル、リズム&ブルーズ、
ドゥーワップなど50年代のアメリカンミュージックに80'sなサウンドやビートがハネる。
今となってはなんてことはないけれど、かれらはもっとも早い時期にそうした音楽スタイルを完成させた先駆と言える。
実際すごい実績を持つバンドであり、数多のゴールドディスク、プラチナムを獲得している。
ライヴでは高い演奏力とパフォーマンスで下積みの頃から評判だった。
そうしたライヴパフォーマンスのアツさとスタジオワークの緻密さがテクノロジーが発展していた時代のなかでガッチリかみあった奇跡的な1枚。
「SPORTS」は世間がおもう以上にすごいアルバムなのだ。
このアルバムが硬派な印象があるのは、ポップな中にブルースっぽさがうまく溶け込んでいるからだろう。
その点で他の80年代ロックの中でも異色と言える。
このブルースっぽさがアルバム全体を引き締めてロック色を明確なものにし、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのサウンドを決定的なものにしている。
収録された楽曲群は幅が広い。
バンドのオリジナル作品に外部ソングライターの曲②⑤とカヴァー曲⑨を混じえたバランス感覚もオールドスクールで燻し銀なカッコ良さ。
ロックンロールナンバー①から妖しくグリッティなニューウェーブポップ②、
ギターリフとホーンを活かしたバブルガムな④、
ギターを活かしたアメリカンロックな⑤⑥、
ドゥーワップな名曲⑦、
テクノなロックンロール⑧、
ハンク・ウィリアムスの名曲をパプロックに改変した⑨など。
どれもポップとクールネスの混ざり具合が最高の配合だ。
アメリカンロックのさまざまな形を1枚のアルバムの中でこれほど無理なく、それもポップに聴かせ、シングルヒット連発となった作品は稀。
そして演奏、コーラスのうまさにも気付かされるだろう。
サックス、ギターのジョニー・コーラとギターのクリス・ヘイズ、キーボードのショーン・ホッパー、ドラムスのビル・ギブソンによる4声のコーラスはメロディックで、ライブでも見事に再現される。それは本盤の2枚目のCDで確認できる。
演奏面は全員が持ち場を確立しており、スタープレイヤーがいないこのバンドの鉄壁の演奏力を感じさせてくれる。
ザ・カーズもそうだが、両バンドともキーボードサウンドがバンドの核になっているのがおもしろい。
このアルバムでもショーンのキーボードがバンドのカラーになっているのでその点も注目だ。
80年代ロックはロクなものがないと一昔前の音楽評論家たちはお決まりのように言っていたが、それは間違いだ。
80年代ロックの名盤を聴けばよくわかる。
このSPORTSもまさにそうした最上級のロックアルバムである。
リマスターの音質
2006年に出たリマスターベスト盤はオールタイムベストではある反面、シングルエディットが多く収録されており、なにより音質が高音シャキシャキで音圧をガツンと上げました!という当時の流行りの音。
これは好みが分かれるところ。
キンキンした高音で、音圧は強いのに、なんだか迫力がごまかしっぽい。
一方 「SPORTS」2013リマスターでは丸みがある音で、音圧もふっくらと強く、各楽器も鮮明。
原音に忠実に音を磨いたとても良い音に仕上がっている。
続きを読む休日の昼にコーヒーでも飲みながらいい音楽が聴きたいときってないだろうか?
そんなときに愛聴するアルバムがある。
ロック、ソウル、ジャズ、フュージョンが混じったオトナの名盤だ。
ビター&スウィートな70'sの香りがたまらない。
昼でも夜でもオールタイムで聴けるこの懐の深さは音楽好きにはほんとありがたい。
特に サンディ A ホーン「抱いて、ルパン」はシティポップファン必聴のメロウなナイトムードの名曲。
サンドラ ホーンといえば 「ラヴ スコール」だけれど、あわせて聴きたいミッドナイト ラヴソングだ。
アルバム全体ではブラスを効かせたテーマ曲からロマンティックな曲、ハードにうねるグルーヴが満載。
リズムセクションのファンクっぽさも格別。
そこにメロディアスなオーケストレーションが乗っかるんだからかなりプログレッシブ。
そして多くの曲にルパンやとっつぁん、次元、五右衛門、不二子のセリフが入っている。
これが実にユーモラスで軽妙洒脱。
モダンなカッコよさなのだ。
「流れ者にはオンナはいらねえ」
など名フレーズがいっぱい。
ルパン三世のサントラは数あれど、音楽ファンなら持っていたい一枚。
では内容を見ていこう。
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ボブ ディランは歌わなくなった。なにかしらの理由で歌わなくなった。特にライヴにおいては。
ラップでも語りでもない半端なボイス パフォーマンスしかしなくなった。それでも熱烈なファンは喝采だ。
ところがBlowin’ In The Wind 2021 recorded ヴァージョンではまるで60年代の頃のような歌声をきかせている。
つまりライヴにおけるあのパフォーマンスは意図したものだということだ。
いつ頃からだろう。
ボブがライヴでメロディをうたわなくなったのは。
2010年からだったろうか。
それは意図して声をつぶし、言葉を吐き出すもので がなった語りのようだった。
素直な発声でうたえば以前のような声もでるはずだと確信していただけに、なぜこんなヴォーカルを標榜するのだろうと疑問でしようがなかった。
続きを読む70年代半ばから80年代にかけて長く低迷したリンゴ スター。
施設にはいり、アルコール依存を克服したリンゴは1989年に自身を看板としたものとしては初のライヴ活動を開始。
Boz Scaggs Silk Degrees 1976